組織規程の作り方

 一般に、会社等の法人は業務の分業(部門化)と権限の分業(階層化)が図られた組織です。この両者の分業が適切に図られないと、組織の業務執行は停滞し、効率的な運営を行うことはできません。そこで、この両者の分業を図るため、業務の分業に関しては業務分掌規程を、権限の分業に関しては職務権限規程を、それぞれ策定する必要があります。

 ところで、企業の担当者から「業務分掌規程も職務権限規程も過去に作成したが、その後、組織の改編があったので、現在は規程が守られていない」という話を耳にすることが少なくありません。このような企業においては、しばしば、一つの業務に関して複数の上司から異なった指示が出され、その結果、現場が混乱する、あるいは、異なった指示の調整を図るために時間を要し、しばらく業務が停滞するという現象が生じます。当然、効率化と責任の所在の明確化という内部統制の観点からは容認できないことです。まさに、規程が形骸化してしまった例です。

 このような事態に陥っては早急に見直して改正する必要がありますが、見直しにあたっては、各部署の調整に時間をかけることが重要です。これは、私の経験上ですが、業務分掌規程の見直しに際しては、業務が競合する部署間では当該業務を押し付け合い、職務権限規程の見直しに際しては、権限が競合する職位(決裁者)間ではこれを取り合うことが多く発生します。しかし、この押し付け合いや取り合いを一方的に裁断してしまうと、後に軋轢を生じかねないので、ある程度時間をかけて双方の言い分を聞いて判断することが重要となります。この役割を果たすのは、自らも当該部署あるいは当該職位と人間関係を有する社内の人間より、外部の専門家の方が適している場合が多いと考えています。おそらく、第三者的立場からの意見ということで、聞く耳を持ちやすいのでしょう。